2016年8月19日金曜日

ケミカルポテンシャルについて(2)

Precise な定義が抽象的でわかりづらいという経験はよくあるのではないだろうか。manifold の定義なんかは(topological space 自体もわかりにくいのだが)簡単な具体例を挙げてやっと理解が進むという程度だ。それでもその科学用語を、「局所的にユークリッド的な空間だ」とすると感覚的につかめたりすることは出来る。あるものごとを深く理解するには、字義的な理解と感覚的かつheuristicな把握・納得の両方が最低必要なんじゃないかと思う。前回紹介したchemical potential についても同感で、 という定義はあり、「エントロピー、体積一定の元で、ある粒子などを一つ系に加えた時にその系がどれだけ内部エネルギーを増加させるかの尺度」ではあるがいまいち深い理解が得られないのだ。物理学的に厳密な議論ではないが、
1.拡散のしやすさ
2.熱力学関数の変化への寄与の度合い per particle (熱力学関数の極値によって系の平衡状態が定まる)
3.体積、エントロピー一定化での内部エネルギー変化度合い


フォトンのケミカルポテンシャルを0として扱うことができることについて多少の疑問は生じるけれども、フォトン自体は質量が0なのでこれは妥当だろうか。また計算が簡単になるという利点もある。フォトンはスピンが1の粒子であるからBose統計に従う。

その物体が放射の散乱や蛍光を起こさないと仮定する。 をその物体の吸収強度とすればこの量は、その物体の表面に入射する放射エネルギーの断片として解釈される。 はそれぞれ放射の振動数、入射角を表す。
Kirchhoff's law は という形で与えられる。もし物体が放射を散乱させるのであればこの式はより制限を受ける。

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