現在のヨーロッパ諸国の政府は財政政策の効果を過小評価しているようである。かれらは歳出をカットし、増税をすれば収支が改善すると思い込んでいるようだ。そのような緊縮財政は不景気の際にはその国の景気を悪化させるだけで、GDPを低下させ、結果として政府の負債を増やしてしまうだけなのである。英国も現在のようなオズボーン路線をとれば間違いなく2011年のGDP成長は惨めなものになってしまうだろう。イギリス国民は保守党の経済政策が誤りであることを見抜き、政権をチェンジさせなければならない。そんな中でガーディアン紙でよい記事"The myths swallowed by George Osborne"をみつけた。この記事のライターであるGeorge Irvinさんによれば、オズボーンやキャメロンをはじめとする保守党と彼らのアドバイザーらが以下のような典型的な謬見:
- 借金返済は国のコスト
- 返済は現在そして未来の納税者によって行われる
- 英国が債務不履行になる
- 政府は常に収支の均衡をさせなければならない
- 資金調達のコスト(すなわち政府の負債)が経済成長を上回る
を持っているという。私はこのIrvinさんの意見を支持する。英国債の80%は国内のマーケットからの調達によって発行されており、国債保有者にとっては金融資産なのである。すなわち年間420億ポンドのペースでの政府の負債のうち340億ポンドは資産として台帳にのるのだ。作家の
三橋貴明氏によれば19世紀のイギリスは
ナポレオン戦争に参加していたため政府負債をGNPの約2.5~3倍にまで増やしていたがべつに破綻はしなかったらしい。その理由は負債が全てポンド建てだったからである。国家には通貨発行権がある。
As long as Britain has its own currency, it has the power to print money. Anyone who doesn't believe this should read up on quantitative easing, the main form of printing money at present. Governments can only go broke if they have incurred debts in another currency; ie if they cannot finance their external current account deficit (which includes interest paid abroad).
外貨建ての負債の場合に限り政府がデフォールトになるのだ。政府の負債と、家計や企業の負債は全く違うものなのだ。
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