リーマンショックは市民に市場原理主義の末路が如何なるものかを教えたはずだ。日本でも当時の麻生総理がケインズ主義を打ち出し、大規模な財政支出を行った。米国でも、リーマンショック前はマケイン率いる共和党が有利だったが、金融危機でオバマが逆転し政権交代が起こり、財政支出・公共投資を行った。さらにAIGに多額の公的資金を投入し事実上国有会社にした。これは明らかに民営化・新自由主義とは逆の方向を行く路線だ。
人々は教訓から学んでいないようだ。今年11月の中間選挙では共和党やTea Partyが勝利し、大きな政府志向のオバマ政権にとって今後の政権運営に大きな障害になっている。イギリスでも小さな政府を志向するキャメロン率いる保守党の大躍進により、公務員削減・消費税増税・財政支出カットなどのおそろしい緊縮財政に突き進んでいる。なぜ人々は市場原理主義を再び信奉し始めているのか?ノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンは、
When historians look back at 2008-10, what will puzzle them most, I believe, is the strange triumph of failed ideas. Free-market fundamentalists have been wrong about everything — yet they now dominate the political scene more thoroughly than ever.
経済右派は「オバマが行ってきたような大きな政府は機能しない」と主張するが、それは間違いである。オバマが初期にやった財政支出の規模が小さかったために、ケインズ的な政策と呼ぶに値するにいたらなかったのだということらしい。経済右派の主張には誇張が多い。
It’s also worth pointing out that everything the right said about why Obamanomics would fail was wrong. For two years we’ve been warned that government borrowing would send interest rates sky-high; in fact, rates have fluctuated with optimism or pessimism about recovery, but stayed consistently low by historical standards. For two years we’ve been warned that inflation, even hyperinflation, was just around the corner; instead, disinflation has continued, with core inflation — which excludes volatile food and energy prices — now at a half-century low.経済右派は、国債発行での金利上昇や金融緩和でのインフレーションを必要以上に騒ぎ立て不安をあおるのだ。結果をみれば彼ら(右派)の主張が誤りであることは明らかだ。それでも彼らの主張は一般の人々を動揺させるには十分なほど説得力のあるものになるようだ。オバマが景気対策をうってもここ2年間失業率に改善が見られないことに不満をもち、右派がその原因がオバマの政策にあると主張しつづければ、庶民は右派の主張を是とするかもしれない。明らかにリーマンショックの打撃が大きすぎて失業率が改善しないのであり、オバマが景気対策をうたなかったらもっと多くの人々が失業で苦しんでいたはずだというのが理性的な結論であるのだろうに。日本でもいまだに民営化・市場原理主義を信奉する人がたくさんいる。消費税増税を政府が検討しているのもかかわらず、なぜ法人税を減税するのか人々はそこに疑問を感じないのだろうか?法人税を減税すれば景気が回復するとでも思っているのだろうか?郵政を民営化すれば何でもよくなると思っているのだろうか?公務員を削減すればその分GDPは減少するし、失業率も高まってしまうだろう。
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